マスカレードホテル

東野圭吾の『マスカレードホテル』が人気だ。『マスカレード・イブ』はさらに売れている。東野圭吾の文章は拙いし、段落構成もかなり稚拙だ。ぶつ切りでつながりが不明の部分もある。しかし、そんなことを問う時代ではなくなった。
マスカレードホテルは女性に人気だが、とにかくエロい。私なら、娘がこの小説の実写版に出る話があるとすれば、キムタクが出るからではなく、断れっていう。嫁入り先がなくなるって。まして、マスカレードイブだったら、勘当するしかない。色基地外かっていう。
実写版は何もAVではない。本番もない。したがって、モザイクもない。前張りも必要ない。淡々とした淡麗な冷酒だ。
ホテル・コルテシア東京のスタッフである山岸尚美は、どんな女性か不明だが、高校時代に初体験、しかし、その彼とは疎遠になり、大学時代にサークル活動を通じて新しい彼氏ができた。文面からして尚美には、ほかにも肉体関係を持った形跡がある。というのも、元カレは気まぐれで、尚美とはつかず離れずの関係で、元彼自身が複数の女性との付き合いの中で揺れていたからだ。そんな彼では尚美も揺れるしかない。最後はあいまいな関係のまま卒業し、尚美は4つ星くらいと思われるホテル・コルテシア東京に就職した。
現在、3年目くらいで、新人の面倒もいる。こんな女性が卒後、3年間、セックスレスだったはずがない。女性が一番、性欲が強く、セックスに関心が強い時期で、好奇心からいろいろなフェチを楽しむ時期だ。もちろん、そんな指摘はない。想像を何となく掻き立てるのが著者(東野圭吾)のテクニックなのだ。というのも、「この間、全く恋人がなかったわけではないが」という意味深な記述があるのだ。恋人とは全く言えない関係が複数あるということは、「男女としての肉体関係はそれなりにあったのだが、体の相性がぴったりではなかったり、試しに絡んだけど、それきりで付き合いにはならなかった」ということ以外、意味しない。
つまり、山岸尚美なる主人公は高校時代に恋愛し、初体験を済ませ、時に妊娠の心配をしたりして大学生になった。そして、大学時代は4-6人程度の彼氏、あるいはそれに準じる男性とセックスしたりデートしてこの時点6人。そして、勤めだしてからは5-10人の性体験を持つ普通の女性。年齢は25-26歳、男性経験10-15人というどこにでも普通の女性なのだ。それをこのように表現するのはどぎつい。しかし、男性向けとしては物足りない。むしろ、毎週のようにハプニングバーか乱交パーティで10-20人とのプレイを楽しむ女性、CAや風俗嬢ほどではないが、性的にはフリーな女性が主人公ではこの物語にはふさわしくないのだ。
連続殺人事件ということになっているが、それはそれとしてストーリーになっている。しかし、サスペンスとしては二流の小説だし、その描写には驚くほど軽いタッチで描かれている。
というのも、尚美がホテル・コルテシア大阪に出張し、新人育成やスタッフ教育に出張した際のエピソードが描かれている。そこでは当然、殺人事件はない。そして、3人も殺されているのに、まるで尚美は何もなかったように冷静。普段の様子。いくらホテルが金を取って人を泊めたらおしまいでも、多少のショックは受けるはず。
そんな尚美の関心事はやはりセックス。ナイスミドルの男性(大学教授風、50-55)、訳ありで離れて歩く40-45歳くらいの個性的で品があり、美しい女性(深い帽子などで顔を隠している)が同室に泊まり、ホテル内のラウンジやレストランで会話を楽しみ、ダブルベッドで濃密なセックスをした様子をうかがわせる描写がえんえんと3ページ、記述されている。これは永井荷風の『墨東綺譚』よりエロい。
この小説はサスペンスでないから、ここに大阪が描かれる。大阪にした理由は不明だが、東野が通天閣や新世界、十三、天王寺、矢田温泉などを知らないからだろう。

そんなホテルで問題になるのは、盗聴器だ。
女子トイレの盗撮が趣味という男性がいて時々、捕まるが、たいがいは常習犯なのに、初犯扱い、不起訴になる。
警察も盗聴や盗撮はやっているから緩いのかもしれない。
ホテルのダブルなんて男女が睦み合うことが多い。それが聴きたい人がいてもおかしくない。
韓国ではかなりいいホテルに泊まっても、盗聴でなく、盗撮・盗聴され、そのままオンラインで販売されているらしいから、日本人はたくさんAVに出演していることになる。
まして、テレビによく出るタレントの睦みなら話し声だけでわかる。その絡みのシーンは声だけでも販売可能だ。女性器が映っていないから、わいせつ図画にもならない。
政治家、役員会、重要な商談などホテルでやれば大丈夫だと思ってよく使われる。
まさか東横インで政治家が打ち合わせするわけがない。
我々日本総合リサーチでもしばしば依頼される盗聴器対策だ。